リンパ球療法

リンパ球療法とは

リンパ球療法とは、免疫システムが抑制方向に傾いている免疫細胞への働きかけをコンセプトにした治療法です。

わずかな血液から免疫細胞を取り出し、培養によって改良して再び体内に戻し、全身の免疫細胞を活性化させてがんを攻撃し排除していきます。

また、リンパ球療法は自身の細胞を使用するため体への負担も少なく、抗がん剤や放射線治療など、ほかの治療と併用して行うことで相乗的に治療効果を底上げする事が期待できます。

当院では、患者さまの状態に対応した4タイプのリンパ球からセレクトし、治療を行っております。

リンパ球とは

リンパ球とは、身体の免疫機構の中でも、兵隊の役割を持つ免疫細胞です。

体内の異物を発見した樹状細胞から抗原提示（がんの目印を知らせる）を受け、リンパ球が活性化します。

活性化したリンパ球は、同様のがん抗原を持ったがん細胞を認識し、攻撃します。

当院で実施しているリンパ球療法の種類

点滴で投与	混合型リンパ球療法	リンパ球療法の基本型。各種リンパ球をバランスよく配合。 自己防衛能力としての免疫力を高めることに適している。
	特殊型リンパ球療法（NKT・NK+α）	キラーT細胞をより強化したリンパ球
	超特異的リンパ球群連射療法	複数のペプチドワクチンで刺激した特異的キラーリンパ球を誘導することにより、 様々な顔を持つがん組織への対応が可能。
注射、もしくは点滴で投与	Early Effector T(EET)	幼若で未分化な状態のリンパ球。体内の生存期間が長く、サイトカインなどの産生能が高いのが特徴。 がんに対する免疫応答が増強されることを期待した治療。

リンパ球療法の効果

• リンパ球が直接がんを攻撃する抗がん効果が認められる
• 化学療法と併用でき、副作用が軽減・緩和が可能である
• 抗がん剤治療をサポートし抗がん効果を高める
• がん以外の疾病の諸症状緩和も期待できる
• 体調が改善され、QOL(生活の質)が向上する

個人差はありますが、効果が出始めるまでの期間は点滴直後～1週間程度、効果の持続期間は2～4週間程度です。

抗がん剤とリンパ球療法の関係

一般的に、抗がん剤は投与後から6ヶ月ほどで効力が低下することがあります。

これは、耐性の出現とがん細胞の休止期における抗がん剤の効力の低下が原因です。

活動期のがんは、抗がん剤が入りやすく抗がん効力を得られますが、がんが休止期に入ると、細胞の殻が閉じられて抗がん剤が入りにくい状態になります。

抗がん剤を長期投与した場合もMDRI（抗がん剤を排出する遺伝子）が活発になって効果が期待できなくなり、抗がん剤の種類を変えても、ひとつの抗がん剤で耐性ができていることが多く、結果的に治療法が尽きてしまう状態に陥るのです。

 

このような休止期のがんにはリンパ球療法が威力を発揮します。

活性化されたリンパ球はインターフェロンという物質を出して、MDRIの働きを抑制し抗がん剤の効果を回復させます。

抗がん剤の感受性を効率良く回復させるこれらの方法は、抗がん剤治療の限界を突破できる最新治療として実績を上げています。

リンパ球療法が適している人

・抗がん剤治療を行っており、血球減少や体力の消耗がある方
・免疫力の底上げをして健康的でいたい方
・身体に負担の少ないがん治療をご希望される方
・他に行っている治療の効果を底上げしたい方

リンパ球療法の副作用

発熱、発疹、下痢、夜間覚醒などが主な副作用として挙げられます。

リンパ球療法にかかる期間

個人差はありますが、投与間隔は1～2週間に一度、もしくは1ヶ月に一度が一般的です。他の治療と併用している方は、治療間隔に合わせて行います。

治療回数は3～6回程度で、治療効果の判定を行います。

リンパ球療法の費用

混合型リンパ球療法　¥308,000/回(税込)
特殊型リンパ球(NKT・NK+α)　¥363,000/回(税込)
超特異的リンパ球群連射療法　¥677,600/回(税込)
Early effector T細胞療法（ＥＥＴ）　¥363,000/回(税込)

リンパ球療法は保険適用できる？

自由診療のみの対応となります。

リンパ球療法の流れ

①カウンセリング予約

予約センター（03-3222-1088）までご連絡を頂き、カウンセリング日を決定いたします。

お電話にて持ち物や資料等のご案内をさせて頂きます。

②診察

初回カウンセリングは30分～1時間程度かけて行います。

ご病気や体調面などの詳細を伺いながら検査の実施が必要であればご提案させていただきます。

③培養採血

細胞培養に必要な血液を採取します（20～60ｍl程度）。
時間はほとんど要しません。

④細胞培養

2週間ほどかけて、それぞれのタイプのリンパ球を培養します。

⑤投与

出来上がったリンパ球を点滴、もしくは筋肉注射（注射の場合はEarly Effector Tとして扱っております）等で体内へ戻します。

リンパ球療法の注意点

治療後は、注射部位局所の炎症反応が起こらないよう、下記についてはお控えいただきますようお願いいたします。

• 飲酒
• 湯船につかる（シャワー浴は可能）
• 激しい運動
• 同日の抗がん剤治療(予め医師にご相談ください)

《注意点》

• 妊娠している方(疑いのある方)は治療を受けることが出来ません。
• 当日診察を行い、治療の可否について判断いたします。急性の炎症やその他感染症等、著しく体調を崩されている方は治療の延期、中止を勧める場合がございます。
• 細胞を培養するにあたり、感染症の有無によっては頂いた血液が使用できない場合がございます。
• 培養には2週間程度時間を要しますが、治療日が培養開始日より2週間を過ぎる場合には細胞の品質を損なわないよう、冷凍にて保管をしております。予約日に合わせて培養スケジュールを組んでおりますが、一度培養が完了してしまうと投与可能期限は１週間までとなります。体調不良等で治療日の変更をされる場合には前日の午前中までにご連絡下さい。