がんの自然死(アポトーシス)について(2)アポトーシス異常と病気の関係

前回、アポトーシスとは個体をより良い状態に保つために起きる、
プログラムされた細胞の死だということを説明しました。

このアポトーシスの異常はさまざまな病気と関係があることが
研究によって明らかになっています。

その一つがアルツハイマーです。
アルツハイマー患者の脳にはアミロイド-β-ペプチドというタンパクが沈着。
このタンパクの蓄積が引き金となって神経細胞が過剰なアポトーシスを起こすことが、
アルツハイマーの進行に深くかかわっています。

また、エイズではHIVウイルスによって免疫細胞の一種・ヘルパーT細胞が
どんどんアポトーシスすることで免疫不全に陥ってしまうのです。

これらは過剰なアポトーシスが起きることによって生じる病気ですが、
反対にアポトーシスが抑制されるために起こる病気があります。
その代表ががんです。

正常細胞がアポトーシスを逃れて生き延びているうちにがん化してしまうことが、
がん発症の大きな要因の一つとなっています。
抗がん剤はこのがん細胞をアポトーシスさせることを目的に投与されます。
しかしながら、がん細胞がアポトーシスを起こしにくいことが抗がん剤耐性の
一因となっているのです。

このことから、「がん細胞をいかにアポトーシスに導くか」が、
がん治療の大きなテーマになることがおわかりいただけるでしょう。

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