がんとテロメア(9)
がん治療応用への可能性Ⅱ

細胞老化を防ぐテロメラーゼ活性が、がんの悪化に深くかかわっていることを
お話ししてきました。このことに着目した新薬・治療法の開発が進んでいます。

(2)テロメアDNAを標的とした薬剤について

テロメアはG-quadruplex(G4)という構造を形成して安定します。
「テロメスタチン(telomestatin)」という微生物から分離された天然G4のリガンド
(特定の受容体に特異的に結合する物質のこと)は、G4 の形成を促進。
G4構造が形成されると、テロメアの複製を含むテロメラーゼ活性の低下が起こり、
テロメアの伸長が抑制されます。その結果、細胞死が起こるのです。

すなわち、テロメスタチンはテロメアを直接攻撃することで、即効性の高い制がん効果を
発揮するといえるでしょう。

テロメスタチンをはじめ、BRACO-19、RHPS4、TMPyP4といったG4リガンドの制がん効果は、
動物実験などで確認されています。

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