がんとテロメア(5)
不老化細胞とテロメラーゼの関係(後編)

不老化細胞ではテロメラーゼ活性があるというお話をしました。
それではテロメラーゼ活性を失うとどういうことが起こるでしょうか?

テロメラーゼ・ノックアウトマウス(人工的にテロメラーゼ活性を失わせた実験用マウス)では、
第一~三世代(孫の代)まで異常はみられませんでした。しかし、第四~五世代では
生殖能力などで異常が発生していました。

また、テロメラーゼはただちに細胞のがん化を促すものではありません。
が、テロメラーゼがないために短くなったテロメアはがんを防ぐ手助けをしていると
考えられます。

実際、後期世代のテロメラーゼ・ノックアウトマウスは野生マウスに比べてあきらかに
がんの発生頻度が低下します。
しかも、テロメラーゼ活性を復活させたマウスではがん化能もまた復活しました。
すなわち、テロメアを持つ細胞のがん化にはテロメラーゼが重要であると考えられるのです。

テロメラーゼそのものはがん遺伝子の産物ではありません。しかしながら、がん細胞の
無限増殖を助けることで、がんの悪性化やその維持に寄与しているといえるでしょう。

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