がんの自然死(アポトーシス)について(8)アポトーシスの抑制原因・BCL2ファミリーと今後のがん治療の可能性(後編)

前回、アポトーシスを阻害するBCL2やBCL-XLなどのBCL2サブファミリーは、
がんの原因や抗がん剤治療の妨げになることをお話ししました。

この点に着目し、BCL2サブファミリーの過剰発現を阻害してがん細胞をアポトーシスに
導くタイプの抗がん剤の研究・開発が進んでいる
のです。

すでに、BCL2の過剰発現を防ぐ抗がん剤候補化合物として、ABT-737、SAHBsなどが
生まれています。

ABT-737は単独使用で、リンパ腫、非小細胞肺がん細胞のアポトーシスを誘導します。
さらに、ほかの抗がん剤の作用を増幅させることもわかっています。また、マウス実験では
非小細胞肺がんの縮小が確認されました。

一方、SAHBsは試験管実験、動物実験で白血病細胞に対して抗がん効果があることが
確かめられています。

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