がんの自然死(アポトーシス)について(5)アポトーシスの抑制原因・IAPファミリー(前編)

先日、アポトーシスのメカニズムについてご説明しましたが、
ではアポトーシスの異常が起こるには、どんな原因があるのでしょうか?

その一つに、「IAPファミリー」というカスパーゼ活性阻害タンパク質の存在が関係しています。
IAPファミリーとは活性化カスパーゼに結合して不活性化させることで、
アポトーシスを強力に抑制するタンパク質群です。
代表的なものには、XIAPやsurvivin(サバイビン)などがあります。

体は本来、細胞の殺し屋のカスパーゼと、それを退治するボディーガードのIAPファミリーを
うまく使い分けることで、アポトーシスをコントロールしています。
ところが、IAPが異常に増えてしまうと、本来のアポトーシスが阻害されてしまうのです。
実際、多くのがん細胞ではIAPファミリーが過剰に発現しており、
それがアポトーシスを妨げていると考えられています。

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