がんの自然死(アポトーシス)について(1)細胞のアポトーシスとは

私たちの体は放射線や有害物質などによってDNAがダメージを受けると、
細胞は死んだり(細胞死)、老化する(細胞老化)ことで増殖をやめてしまいます。
そうすることで異常な細胞が増えるのを防ぎ、体を守っているのです。

がん遺伝子の活性化によって異常をきたした細胞も、細胞死・細胞老化を起こすことで
がんの発症・増殖を防いでいます。
つまり、この抑制システムが機能しなかったときに、がんが発症するのです。
しかも、抑制システムを突破したがん細胞は、細胞死や細胞老化を起こしにくいという
やっかいな性質をもつようになります。

ちなみに、細胞死には大きくわけて「アポトーシス(自然死)」と「ネクローシス(壊死)」が
あります。

アポトーシスとは個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、
管理・調節された細胞の自発死です。
例えばオタマジャクシからカエルにかわるときに尻尾がなくなるのも、
尻尾の細胞がアポトーシスするからです。
一方、ネクローシスは大量の放射線や活性酸素、感染など細胞内外の急激な
環境悪化によっておきる細胞死のことを指します。

がんはとくにアポトーシスと深い関係があります。
次回以降はがんとアポトーシスの関係について説明していきましょう。

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