抗がん剤は広義では化学療法剤、分子標的薬、ホルモン剤、免疫治療などがんに効く薬すべてを指します。ただし、一般的には、化学療法剤が抗がん剤だという認識がなされていますね。
この化学療法剤はいわゆる軍事兵器・化学兵器がルーツです。化学兵器を皮膚がんや白血病の治療に使ったところ、非常に効いたので、抗がん剤として使い始めたのです。
ここで忘れていけないのは、化学兵器ということは、猛烈な毒だということ。つまり本来人間の体に入れてはいけないものということです。
ですが、がんに対してほかに使える薬がなかったため、抗がん剤の副作用にどこまでだったら患者さんが耐えうるか、という量を考えて、やむを得ず使い始めました。
今の抗がん剤は化学兵器の時代から比べると、毒性は和らぐような工夫はされています。しかし、なかなか抗がん剤だけで治るがんは少ない。吐き気や脱毛、貧血などの副作用に苦しむ方も多いですよね。
次回以降は、実際抗がん剤はどこまですべきで、どう付き合うべきなのかについて、考えていきましょう。