がんとテロメア(2)不老化細胞について(前編)

前回、染色体を保護する役割を持つテロメアは細胞分裂のたびに短くなり、
細胞老化していくことをお話ししました。

ところが、細胞の中には無限に分裂増殖できるものがあります。
これを「不老化細胞」といいます。
その一つが、卵子、卵細胞、精子、精細胞などのもととなる生殖細胞です。
生殖細胞は無限分裂することで、親から子へ、子から孫へと無限に増殖することができます。

もう一つ、不老化細胞としてあげられるのが、がんウイルスに感染した細胞です。
代表的なものは子宮頸がん患者の腫瘍病変から採取されたHeLa細胞という細胞株です。

細胞株というのは、人為的に生体外で培養され、長期間体外で維持されることで、
一定の安定した性質を持つようになった細胞のことを言います。

HeLa細胞は患者本人がなくなってから60年以上たった今でも、多くの研究所で培養され、
試験や研究に幅広く用いられています。

カテゴリー: がんの生命(いのち) パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です