がんの自然死(アポトーシス)について(9)アポトーシス制御因子・FLIPとがんの関係

アポトーシス阻害タンパク質には、FLIPというものがあります。
このタンパクはカスパーゼの1種(カスパーゼ8)とよく似た構造をしていますが、
カスパーゼ活性はありません。

FLIPはカスパーゼ8とよく似ているため、「アポトーシスを起こしなさい」という
細胞死受容体の指令に応答して活動をはじめるのですが、実はカスパーゼ活性を
持たないため、細胞死シグナルを遮断し、アポトーシスを阻害すると考えらえています。

実際、FLIP遺伝子を破壊したマウスではアポトーシスの亢進が見られました。

FLIPはメラノーマなどのがんで多くみられることから、この点に着目した抗がん剤の
開発が期待されています。

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