前回、抗がん剤治療によってがんが小さくなった後、再び大きくなり出したときには
悪性度が増しているという話をしました。
それでは抗がん剤治療をしなければどうなっていたのでしょうか?
――実はがんはゆっくり、ゆっくりと大きくなっていくのです。
例えば、直径10センチのがんがあり、抗がん剤を使わなければ6か月後、
直径20センチのがんになっていたとします。
しかし、同じがんに対して抗がん剤をしていた場合、増悪期になったときに成長は
大幅に加速し、もしかすると、がんは直径40センチの大きな塊になっているかも
しれないのです。
つまり極端な話、6か月後、1年後を考えたとき、
抗がん剤をやっていなかったほうがまだ良かった、ましだった…
ということもあり得るのです。
もちろん、抗がん剤の効きやすいがんもありますし、
あるいは、一時的レスキューになったり、
放射線や手術と組み合わせることで完治する場合がある
ということも事実です。
そこで、抗がん剤をどういうケースで使うべきかについて、
次回お伝えします。